用地取得「丁寧な対応を」県と3市町、成田空港会社に要望 滑走路供用延期を地元に説明

経済 産経新聞 2026年04月10日 19:39
用地取得「丁寧な対応を」県と3市町、成田空港会社に要望 滑走路供用延期を地元に説明

成田空港の機能強化に向けた滑走路の新設・延伸計画を巡り、成田国際空港会社(NAA)は10日、計画推進に向けた協議会を成田市内のホテルで開き、県や空港立地3市町(成田市、芝山町、多古町)に対し、用地取得の難航による供用開始時期の延期や、土地収用法に基づく強制収用を検討する方針を説明した。県や各市町は用地取得について、地権者に寄り添いながら丁寧に進めるようNAAに要望した。

協議会でNAAの藤井直樹社長は、供用開始が当初の目標だった令和11年3月末から遅れることを説明。難航する滑走路の用地取得に向け、「任意取得に向けた努力は継続しつつ、最終的に土地収用制度の活用も考えており、関係自治体の皆さまのご理解をいただきたい」と述べた。

協議会終了後、新滑走路建設予定地の大半を占める芝山町の麻生孝之町長は「土地収用制度の手段をとる前に、地権者の不満や不安に真摯(しんし)に向き合い、解決に向けた提案をすべきだ」と強調した。

熊谷俊人知事は「空港の機能強化は今まさに進めていかなければならない事業だ」としつつ、「残る地権者に対する再度の説明の努力を試みていただきたい」と丁寧な対応を求めた。

NAAはこの日、空港周辺9市町にも今後の方針について説明し、意見を交わした。

NAAは高まる航空需要に対応するため、B滑走路(2500メートル)の延伸とC滑走路(3500メートル)の新設を計画し、昨年5月に着工。空港面積は約2倍の2297ヘクタールとなる見込みだ。NAAは用地確保に向けた取り組みを進めてきたが、移転補償や空港の機能強化などについて一部の地権者の理解を得られず、用地取得率は89・7%(今年3月末時点)にとどまっている。(松崎翼)

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