インテリジェンス(情報活動)政策の司令塔「国家情報会議」創設法案は10日、衆院内閣委員会で本格的な審議に入った。同法案は与野党激突の「対決法案」になるとの見方も出ていたが、この日の審議は粛々と進んだ。日本の情報活動は人員や予算で英米などに見劣りしており、安全保障環境が悪化する中、野党からも「体制強化の必要性は否定しづらい」(国民民主党若手)との声が上がる。
中道改革連合の長妻昭氏は「政治にとって最も重要なことは正確な現状把握だ。インテリジェンス能力を高めることは必要不可欠だ」と情報会議創設に一定の理解を示した。一方で「強い権限を与えると副作用の懸念が出てくる」と指摘し、政府の認識をただした。木原稔官房長官は「国民に対する監視やプライバシー侵害があるのではないか、との懸念があれば払拭したい」と答弁した。
また、長妻氏は既存の内閣情報調査室(内調)トップの内閣情報官には歴代、警察庁出身者が就任していることに触れ、慣習を改めるよう求めた。
日本維新の会の黒田征樹氏は、情報活動に対する国民の理解を広げるための取り組みについて質問。岡素彦・内閣審議官(内調担当)は、中長期的な情報活動の基本指針「国家情報戦略」(仮称)の策定と公表を検討していると明らかにした。
共産党の塩川鉄也氏は「情報機関による市民監視や人権侵害についてのさまざまな危惧や懸念の声がある。今回の法案はそういう体制を強化するものだ」と批判した。もっとも現状、情報会議創設に反対の姿勢を明確に打ち出しているのは共産などに限られている。政府高官は「野党の多くは本音では法案に賛成したいのではないか」と余裕の構えを見せた。(竹之内秀介)