【ワシントン=大内清】レビット米大統領報道官は29日、人道危機が深刻化するパレスチナ自治区ガザの情勢を巡り、トランプ政権が提示した停戦案にイスラエルが同意したと記者会見で明らかにした。米メディアによると、イスラエルと交戦するイスラム原理主義組織ハマスは、停戦期間の経過後も同国が戦闘を再開することがないよう米国側の保証を求めており、停戦が実現するかはなおも見通せない。
停戦案は、協議を仲介するウィットコフ中東担当特使が提示したもの。レビット氏は詳細への言及を避けたが、米CNNテレビなどによると、60日間の停戦やガザへの人道支援物資の搬入を加速させることなどが盛り込まれているもようだ。ハマスは拘束する人質の解放や遺骨返還を、イスラエルは収監しているパレスチナ人の釈放を進め、その後、戦闘終結に向けた交渉を行うという。
これに対しハマス側は、60日間の停戦期間後もイスラエルが戦闘を再開しないよう保証することや、ガザからのイスラエル軍撤退などを米国側に求めているとされる。ハマス幹部は29日、ロイター通信に、ウィットコフ氏の停戦案はハマス側の要求を反映していないとし、受諾するか否かは「検討中だ」と述べた。
イスラエルとハマスは1月、当時のバイデン政権が提示した3段階の停戦案に合意したものの、人質の解放などが進まず、合意は頓挫した。イスラエルは3月、ガザへの支援物資搬入を遮断し攻撃を再開。ガザで飢餓状態が拡大する中、同国は今月、国際社会からの圧力を受けて人道支援の再開を認めたが、物資の搬入量は大幅に不足している。