ガールズバンドの時代 はみ出す青春の尊さ〈藤本由香里 MANGAウオッチ〉

文化・エンタメ 東京新聞 2025年05月26日 07:04
ガールズバンドの時代 はみ出す青春の尊さ〈藤本由香里 MANGAウオッチ〉

 昨年劇場アニメが大ヒットして人気を席巻した感のある、はまじあき『ぼっち・ざ・ろっく!』。

 同じくガールズバンドを主人公にした『ふつうの軽音部』(クワハリ/出内(いでうち)テツオ)が、昨年の「このマンガがすごい!」のオトコ編第2位。

(左)『ぼっち・ざ・ろっく!』はまじあき *芳文社。既刊7巻。 (右)『ふつうの軽音部』原作・クワハリ 漫画・出内テツオ *集英社。既刊6巻。

 もう一つ、今年来日して大評判となったブロードウェーミュージカル『SIX』は、ヘンリー8世の6人の妻がガールズバンドを組み、最初はヘンリーとの関係でバトルし、リードシンガーを競っていたのに、最後は皆で共に歌い連帯を確認するという痛快で感動的な物語だった。

 ことほどさように、世は「ガールズバンド」の時代のようなのだ。

 もちろん、かつても、やはりガールズバンドを主人公にした4コマ『けいおん!』の大ヒットがあった。アニメは日常のきらめきを丁寧に描き出した京都アニメーションの作画が素晴らしく、劇中曲がヒットチャートでシングル1・2位を独占するという記録を打ち立てた。

『ぼっち・ざ・ろっく!』はまじあき *芳文社。既刊7巻。

 それは『ぼっち・ざ・ろっく!』も同様で、劇中曲が次々とヒットチャートに名を連ね、劇中のバンド名を冠したアルバムは、デジタル部門で売り上げ1位を記録している。

 では、この作品の何がそれほど人々をひきつけるのか。

 一つにはもちろん、この作品に豪華アーティストが集結しているということがある(おまけにアニメの脚本は『虎に翼』の吉田恵里香だ)。

 しかしそれを可能にさせたのは、この作品のそこここにあふれる音楽愛・バンド愛だろう。楽曲こそオリジナルだが、よく知られているように、各話の扉絵は人気バンドのPVのオマージュになっており、あちこちに音楽ファンなら「わかる!」ギミックがしかけられている。

 しかも主な舞台は学校ではなく、下北沢のライブハウス。「あっ、ここ」「この店!」とピンとくる。

 そのよう...

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