夏の夜、「花火をしよう!」と思い立ち、近所の公園に行ったものの、「そういえば公園で花火ってOKだっけ……」「煙が住宅の方に流れて怒られないかな……」と不安になったことはないだろうか。
公園で手持ち花火を認めるかは、自治体によってばらつきがあるのが実情だ。
ただ、近年はルールを緩和する自治体が増えつつある。
子育て世帯の転入が多い茨城県つくば市は今年、7~9月の午後6時~8時半に限り、公園での手持ち花火を解禁した。市営の公園約300カ所のほとんどが対象で、都市公園173カ所には周知の看板を立てた。
人数は10人程度まで▽18歳以上の成人が付き添う▽消火用バケツを持参する▽ごみを持ち帰る――などが条件で、多くの自治体と同様、ロケット花火や打ち上げ花火、爆竹など地上に置くものは禁止だ。
市は「中心部は集合住宅も多く、『やれる場所がない』という声が多かった。協議して緩和を決めた」と説明する。
中高生の息子がいる女性(40)は「小さい子を持つ家に限らず、高校生や大学生も喜ぶのでは。きちんとルールを守って公共の場を使う経験をすることも大切」と条件緩和を歓迎する。
ただ、市には7月に入ってから「ロケット花火が飛んできた」との苦情も来たという。市は「注意事項が守られない場合は、公園での花火の利用を一切禁止する」としており、ルール順守を呼びかける。
公園での花火を巡っては、以前から手持ち花火に限って認める自治体がある一方、NGとする自治体は少なくない。多くは、火の不始末による火災、近隣への煙や騒音トラブルを防ぐため、公園条例が禁止する危険な行為に花火も該当する、という立て付けだ。
だが、近年は保護者や子どもの声に押され、つくば市のように緩和に踏み切る自治体も増えている。
東京都大田区では従来、国が管理する多摩川の河川敷の一部を除き、公園での花火が禁止されていた。だが、区は今夏、試行事業として8月1~17日の午後6時~8時半、一部の区立公園で手持ち花火の利用を可能にする。5人程度での利用が条件だ。
担当者は「(昨春公表の)基本構想を策定した際、小中学生へのアンケートでは公園に関する要望が多かった。『子育てナンバーワン都市』を目指す区としても、子どもたちの意見を取り入れられる方法を模索した」と説明する。
昨年度、540カ所の公園・緑地を現地確認し、手持ち花火ができると判断した53カ所を選定した。詳細はホームページなどで確認できる。
区民向けのウェブアンケートも実施中で、「今のところ好意的な意見が多い。今夏の状況を踏まえ来年以降のあり方を判断したい」。
一方、依然として禁止の自治体もある。交流サイト(SNS)では「線香花火の風情を子どもに感じさせたいのに」「花火をもらったけど一体どこでやればいいのか」といった保護者のぼやきが散見される。
札幌市では平成初期から市内の公園での花火を原則禁止にしている。現在は町内会の夏祭りイベントなどの際に限り、一部の使用を認めている。
担当者は「毎年一定数の問い合わせがあるが、『申し訳ないが公園では禁止です』と伝えている。河川敷の一部では利用可能なので、国の河川事務所に問い合わせてほしい」としている。【尾崎修二】