エージェント型人工知能(AI)が、IT業界で今よりはるかに中心的な役割を担うようになるとの予測を、Cisco Systemsが新しいレポートで明らかにした。
「THE RACE TO AN AGENTIC FUTURE: How agentic AI will transform customer experience」(エージェントの未来に向けた競争:エージェント型AIが顧客体験にもたらす変革)と題されたこのレポートは、30カ国の8000人近いビジネスリーダーを対象とした調査結果をまとめたもので、すべての回答者が、BtoBテクノロジーサービスのカスタマーサービス担当者と日常的に密接な関わりを持っているという。全体的に見ると、このレポートはカスタマーサービスの分野を中心に、AIエージェントの台頭を積極的に取り入れようとするビジネス界の現状を浮き彫りにしている。
レポートによると、2028年までには、テクノロジーベンダーのカスタマーサービスやサポート窓口とのやりとりの半分以上(68%)が、エージェント型AIによって自動化される可能性があるという。また、回答者の実に93%が、この新たなテクノロジーのトレンドによって、顧客とのやりとりがさらにパーソナライズされ、顧客にとってより効率的なものになると考えていた。
しかも、この割合の高さにもかかわらず、カスタマーサービス担当者が大規模なリストラを懸念する必要はないようだ。回答者の89%は、カスタマーサービスにおけるやりとりに人間が関与することは依然として不可欠だと答え、96%は「人間同士の関わり」がこの分野では「非常に重要」だと述べていた。
一方、エージェント型AIの導入が広く進む中で、Cisco Systemsの新たなレポートは、テクノロジーベンダーが迅速に行動する必要性も強調している。
「効果的で安全に、かつ倫理的に適切な形でAIを導入する取り組みに遅れたり失敗したりしたベンダーは、顧客との関係が悪化し、評判が傷つき、顧客離れが進む、と回答者らは確信している」と、レポートの執筆者は指摘している。
その反対に、81%の回答者は、カスタマーサービスの運用にエージェント型AIを組み込むことに成功したベンダーは、競合他社より優位に立つと答えている。
ただし、AIを活用したカスタマーサービスへの期待が高まる反面、データセキュリティに関する懸念が依然として広く残っていることも明らかになった。テクノロジーベンダーがエージェントを導入、運用する際には、ガバナンス戦略を策定して顧客に明示する必要もあると、回答者のほぼ全員(99%)が述べていた。
この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。