中古スマホはもはや市民権を得たと言っていいだろう。販売台数は5年連続で過去最高を更新中だ。ただ、新品価格の高騰は、その理由の一つに過ぎない。市場の急拡大を後押しするのは、「今どきらしい」需要だ。また、リユース店に加え、大手商社系も中古スマホ市場を新たな金脈と見て、関連事業を強化。スマホ利用者が「売りやすい」「買いやすい」環境が急ピッチで整いつつある。消費者に生まれた新たな所有動機、大手商社系が目を付けた驚きの理由――。激しく動く中古スマホ市場の最前線をリポートする。
中古スマートフォンの販売台数が、直近5年連続で過去最高を更新している。2023年度は、22年度比16.6%増の272万8000台(MM総研調べ。以下同)を記録した。この勢いは止まらず、28年度には438万台まで伸びると予測されている。
一方、人気を急速に失っているのが新品スマホだ。出荷台数のピークは21年度の3385万1000台で、23年度には2547万2000台にまで落ち込んだ。24年度は3003万7000台と持ち直したが、それでもスマホが登場して以来、23年度に次いで2番目に少ない。
結果、新品・中古スマホの合算台数に占める中古比率は、過去最高の9.7%(23年度)に伸びた。中古スマホの割合は今後、さらに増えていくと見られる。
中古スマホが選ばれる理由の一つが、新品スマホの止まらない価格高騰だ。「もう新品には手を出せない」という消費者が増えている。
例えば、中古スマホ市場で最も人気がある「iPhone」の新品価格は、22年発売の「14」以降、税込み10万円以上になった。最新モデルの「16」は、同12万4800円となっている(いずれも標準モデルで、128GBの場合)。
その上、国の施策が新品の価格高騰に拍車をかける。総務省は16年に「実質0円スマホ」の販売を規制して以来、通信キャリアの割引制度に度々「待った」をかけ、端末価格の適正化を図ってきた。24年末にも、スマホの下取り価格に対する規制を発表。高額下取りで“相殺”することによる、新品スマホの実質値下げを制限しようとした格好だ。
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