「病院、学校、家、避難所…全てが攻撃対象」 ガザの難民を支援してきた、UNRWAが訴える事態の深刻さ

国際 東京新聞 2025年05月29日 06:00
「病院、学校、家、避難所…全てが攻撃対象」 ガザの難民を支援してきた、UNRWAが訴える事態の深刻さ

 パレスチナ自治区ガザの難民を支援する「国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)」のフィリップ・ラザリニ事務局長が28日、東京都内の日本記者クラブで記者会見した。ガザでは、イスラエルからの攻撃に加えて支援物資も止められ飢餓のリスクも高まる人道危機にあるとして、日本にも積極的な支援を求めた。(中川紘希)

◆「存在しない安全な場所を探しながら生活」

 「病院、学校、家、避難所、全てが攻撃対象だ。人々は自分と子どものために食べ物を探している。そして、存在しない安全な場所を探しながら生活している」。ラザリニ氏は、ガザの窮状をこう説明した。

 UNRWAは1950年からパレスチナ難民救済活動を始め、ガザなどの難民たちに教育や医療保健、社会保障サービスなどを提供してきた。

パレスチナへの支援を訴えるUNRWAのラザリニ事務局長=都内で

 2023年10月に始まったイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘は、今年1月に双方が停戦に合意したが、イスラエルは3月にガザ地区への大規模な攻撃を再開。ガザ保健当局によると、これまでに死者は5万4000人を超えた。ラザリニ氏は、300人以上のUNRWAスタッフも死亡したといい「ガザは絶望、喪失、悲しみ、不安で覆われている。この攻撃は何をもっても正当化できない」と批判。人道支援のための国際ルールも守られていないガザの現状に「このままでは国際法の墓場になる」と危機感を募らせる。

◆「人々に届くはずの食料が国境で腐敗している」

 イスラエルは3月にはガザへの食料や医薬品の搬入も停止させ、UNRWAも現地に物資を届けられなくなったという。「人々に届くはずの食料が国境で腐敗し、飢餓の危機に直面してる」と語るラザリニ氏。今月27日にイスラエルと米国が主導する民間組織が物資の配給を始めたが...

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