「悪夢の展開」 ツルハ・ウエルシア統合、長期保有の英運用会社が反対

経済 日経ビジネス 2025年05月26日 12:01
「悪夢の展開」 ツルハ・ウエルシア統合、長期保有の英運用会社が反対

 ドラッグストア大手のツルハホールディングス(HD)は26日、本社を置く札幌市で定時株主総会を開く。イオン子会社で同業のウエルシアHDと、株式交換により経営統合する議案を諮る。この議案を巡り、ツルハHD側と大株主が対立している。

 「業界全体が成熟期に入っているのは事実で、単独での成長は難しい」。ツルハの鶴羽順社長は4月11日、都内で開いた記者会見でこう語った。両社は当初の計画を2年前倒しし、2025年中の統合を目指す。

 ツルハは日用雑貨の品ぞろえが豊富で、ウエルシアは店舗の調剤機能が手厚い。相乗効果を引き出しやすい上、店舗の立地も重複が少なく統合の利点が大きいという。

 しかし英系運用会社のオービス・インベストメンツが待ったをかけた。オービスはツルハに約25年間にわたって投資し、同社株を約10%保有する。札幌市や英ロンドンでツルハの経営陣と面談したこともあるという。

 オービスのブレット・モーシャル日本株責任者は日経ビジネスの取材に対し「ツルハは業界再編のメリットを強調しているが、プロセスの欠陥や取引条件の不当さなどに関して、納得のいく説明をしていない」と語った。

 同氏の発言の意図を理解する上で、まずは今回の統合はどのような手順を踏むのか確認しよう。

 ツルハは株式を5分割した上で、12月にウエルシアを株式交換で完全子会社化する。ウエルシアの株主が持つ同社株1株に対し、ツルハ株1.15株を割り当てる。イオン傘下のウエルシアにツルハ株を割り当てることで、イオンのツルハ株の持ち分比率は約27%から39%に上昇する。

 その上で、両社に出資するイオンが26年1月にかけてツルハへのTOB(株式公開買い付け)を実施。持ち分を50.9%まで高めて、連結子会社化する。

 つまり今回の経営統合は、イオンが出資するドラッグストアの再編でもある。単純合算で売上高約2兆3000億円の「1位・2位連合」がイオンの傘下に誕生することになる。オービスのモーシャル氏は「イオンによる支配権の獲得が最終目的だ」と指摘した上で「今回の取引は異例で複雑性が高い」と語る。

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