軽EV競争「3強+中国BYD」で本格化へ ダイハツ初投入 商用向け航続距離257キロ

経済 産経新聞 2026年02月02日 15:36
軽EV競争「3強+中国BYD」で本格化へ ダイハツ初投入 商用向け航続距離257キロ

ダイハツ工業は2日、同社初の量産電気自動車(EV)となる軽商用車「e-ハイゼット カーゴ」と「e-アトレー」を発売したと発表した。スズキも軽商用EVを3月末までに、軽乗用EVを2026年度中に投入する予定で、既に発売済みのホンダを含めた軽大手3強のEVが26年度中に出そろう。今夏には中国EV大手の比亜迪(BYD)も軽に参入し、顧客獲得競争が本格化する。

ダイハツが投入した2車種は トヨタ自動車、スズキと共同開発したEVシステムを搭載。薄型の大容量リチウムイオン電池を採用し、軽商用バンのEVでトップとなる257キロの航続距離と、ビールケース36個に対応する広い積載スペースを両立した。荷室はEVに買い替えしやすいように従来のガソリン車モデルと同じ寸法とし、外部への給電機能も標準装備した。価格は314万6千円から。

東京都内で開いた発表会で、ダイハツの井上雅宏社長は「国内販売の半分が商用だ。(今回のEVで)カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量の実質ゼロ)に貢献できる」と強調した。

また、軽乗用EVも「競合他社に遅れないタイミングで出していく」とし、BYDの参入は「顧客の選択肢が広がる」と述べて「3強+BYD」の新たな競争図がEV市場の活性化につながるとの見方を示した。

軽商用EVは、脱炭素の環境性能に加え、振動の少ないスムーズな走りや静粛性でドライバーの負担を軽減できるため、配送など法人向けを中心に需要が見込める。3強の中で先行したホンダの軽商用バン「N-VAN」のEVモデルの25年の販売台数は、N-VAN全体の約2割を占めた。

近距離移動に使われるケースが多く、充電切れの不安が比較的小さい軽はEV化と相性が良いとされる。

EV普及が遅れている国内乗用車市場でも、軽EVに先鞭(せんべん)をつけた日産自動車の「サクラ」(22年6月発売)は25年までの累計販売台数が約9万6千台に達している。

EVを巡っては、トヨタ自動車の「bZ4X」や日産自動車の新型「リーフ」など普通車でも国内大手の新車投入が相次いでいる。これに伴い、トヨタが基本料ゼロの完全従量制の新充電サービス「TEEMO」を、他メーカーのEVも利用できる形態で開始。各社が充電網整備を加速していることも、EV需要を後押ししそうだ。(池田昇)

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