政府が南鳥島沖で進めるレアアース(希土類)を含んだ泥の試掘で、政府関係者は2日、水深約6000メートルの海底から連続的に泥を引き上げることに成功し、予定通り2027年2月に大規模採掘システムの実証に移行できるとの認識を示した。中国が圧倒的なレアアースの生産シェアを背景に経済的威圧を強める中、悲願の国産化に向けた大きな一歩を踏み出した。
政府関係者によると、1月30日に海底でレアアース泥を初めて採取し、2月1日未明に海上の探査船まで引き上げた。
採取現場は非常に高い水圧がかかる過酷な環境な上、使用機器も勝手が異なる海外製が多く、作業の難航も懸念されていたが、「現時点で全て正常に作動している」と順調であることを強調。来年2月に計画する1日当たり350トンを採掘する大規模採掘システムの実証への移行も「可能」とした。3日ごろまでに作業を終え、帰港準備を始めるという。
今回は採掘システムの動作確認が目的で、採取した泥は少量という。国内の研究施設に搬入し、精錬の試験などに使用する方針。採算性などの検討は大規模採掘システムの実証を経て、28年3月までに行う予定だ。
試掘は内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)が主導。探査船から先端に採掘装置を接続した管を海底まで下ろし、採取した泥を管内に発生させた水流で船上まで押し上げる手法を採用した。
南鳥島沖のレアアースを巡っては、一部で埋蔵量が「世界需要の数百年分」といわれ、中国がシェアを独占する電気自動車などのモーターに使われる希少性が高い種類が分布しているとされる。