経団連と日本商工会議所、経済同友会の経済3団体は15日、賃上げ原資の確保に向けて価格転嫁を商慣習として定着させるよう会員企業らに要請した。大企業に対し、発注先の中小企業との価格交渉を義務付ける「中小受託取引適正化法(取適法)」の趣旨を理解し、労務費、エネルギー費、原材料費の価格転嫁を推進するよう促した。
中小企業庁の昨年9月調査によると、コスト増加分を取引価格や販売価格に反映できた割合を示す価格転嫁率は5割台にとどまる。前回の同年3月調査からほぼ横ばいで、ほとんど改善していない。このため、サプライチェーン(供給網)上流に位置する大企業を中心に適正な取引価格の実現などを表明する「パートナーシップ構築宣言」の徹底と実行を強力に進める必要があると説いた。
消費者向け事業を展開する企業を念頭に「良いモノやサービスには値が付く」という価値観を社会全体の規範として定着させるため、官民挙げて推進していくことが急務だと主張した。
中小を代表する日商の小林健会頭は同日の記者会見で、「価格転嫁率は、地方を見ると5割から3割という企業も多い。従って道半ばだ」と述べ、価格転嫁の一層の受け入れに理解を求めた。