大阪湾で越冬するイルカ ノリ養殖の網周辺に豊富な餌 神戸大院など研究

科学・医療 産経新聞 2026年01月20日 20:31
大阪湾で越冬するイルカ ノリ養殖の網周辺に豊富な餌 神戸大院など研究

冬から春にかけて大阪湾にやってくるイルカがいる-との研究成果を神戸大大学院などのチームが発表した。この時期に行われるノリ養殖の網の周りに餌となる魚類が集まるためとみられ、研究チームは「野生動物と人間活動が共存できる可能性を示している」と指摘している。論文は15日発行の欧州の海産哺乳類専門誌「Aquatic Mammals」に掲載された。

神戸大院の岩田高志助教らと、京都大東南アジア地域研究所などのチームによる研究。令和4年7月から5年12月にかけて、神戸市垂水区舞子と同市須磨区沖の海中にセンサーを設置し、イルカの声「クリック音」を集めた。

期間中、計253回のクリック音を検出。洋上での観察から体長2メートルほどになるマイルカ科ハセイルカなどとみられるという。検出したクリック音の9割は、大阪湾でノリ養殖が行われる時期と重なる12月から4月で、イルカが餌を捉えるときに連続して発する「バズ音」も含まれていた。

養殖網には小魚やエビ、これらを捕食するクロダイなども集まってくることが知られており、研究チームは「周辺の生態系が一時的に豊かになり、それをイルカが狙ってやってきている可能性がある。人間の活動が自然環境に与える影響はネガティブなものばかりではない」と指摘した。

またバズ音が夜間に集中していることから、岩田氏は「昼間に多い船舶の航行を避けて活動しているのかもしれない。野生動物の活動する時間帯や場所を考慮した生産活動や政策が求められる」と話している。

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