日米をはじめとした国際協力で進む月探査プロジェクト「アルテミス計画」の一環で、米国とカナダの宇宙飛行士計4人を乗せた月周回の有人宇宙船「オリオン」が、日本時間2日に米フロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げられた。
10日間にわたる飛行の初日は、地球を2周しながらオリオンの状態を確かめ、太陽電池パネルを開いて電力を確保。将来のアルテミス計画では、宇宙船同士のドッキングを構想しているため、打ち上げ後に分離するSLSの第2段機体を他の宇宙船に見立て、再接近してまた遠ざかる制御試験に取り組む。その後、別のプログラムで相乗りした超小型衛星4機を放出する。
飛行2日目には地球周回軌道を離れ、月へ向かう軌道に移る。5日目にようやく月の重力圏に入り、6日目の日本時間7日午前には月に最接近する。月面から約7千キロまで近づく見通しで、今回の飛行で最大の見どころだ。その後は月の裏側を大きく回り込み、地球に戻る。
この間、乗員は宇宙放射線の環境を確かめながら、生命維持や通信、宇宙服や手動操縦といった新たな有人システムが、設計通りに機能するかを点検する。特に、10日間にわたって4人がオリオンの居住カプセル内で生活する際、二酸化炭素の除去やトイレを含む環境制御系が正常に働くかを確かめることは大きな目的だ。
これらのミッションを終えたオリオンは、飛行7日目に月の重力圏を離脱。10日目となる日本時間11日午前に大気圏に再突入し、米カリフォルニア州沖の太平洋上に着水する予定だ。(伊藤壽一郎)