外国為替市場で前週末以降、円が対ドルで急騰しているのは、円安進行を受け日米通貨当局が民間銀行などに取引水準を問い合わせる「レートチェック」を行ったと伝わったためだ。為替が急変動すると、当局はまず投機的な動きを牽制(けんせい)するため為替介入を示唆する「口先介入」を行う。レートチェックはさらに踏み込んだ行動で、介入前の最終手段とされる。具体的な手法をQ&Aでまとめた。
Q レートチェックとはどういうものか
A 中央銀行が財政当局と連携し、民間銀行などの市場参加者に為替取引の水準を問い合わせることだ。当局が介入を行うのではないかと意識させ、投機筋を牽制する狙いがある。
Q どのような時に行われるのか
A 為替相場が急変動し、企業活動に悪影響が及ぶと考えられるとき、当局はまず幹部が報道機関を通じた発言などで介入をほのめかす口先介入を行う。変動が収まらなければ表現を強め、それでも効果がなければレートチェックに踏み切る。介入直前の切り札といわれている。
Q 今回のレートチェックの特徴は
A 日米が連携して実施したとみられる点だ。23日の日銀・植田和男総裁の記者会見中に一時1ドル=159円台まで円安が進んだ後、一気に2円程度、円高方向に押し戻された。その後、週末のニューヨーク市場でも円高が加速。米当局のレートチェックは異例で、日本の円売り、国債売りが米国に波及して長期金利を上昇させたとみて対応に乗り出したようだ。
Q なぜ為替介入をすぐに行わないのか
A 為替相場は市場で決められるのが健全な姿だからだ。加えて介入の原資にも限りがある。投機的な動きが強いと、実施しても効果が一時的なものにとどまるという事情もある。
Q 円相場の今後の動きは
A 26日の市場では、介入への警戒感から一時153円台まで円高に振れた。ただ足元では衆院選に向け与野党が消費税減税を訴え、市場では財政悪化懸念が広がっており、円が売られやすい状況だ。
前回、介入が行われたのは2024年。当時のバイデン米大統領は為替操作を嫌ったが、現在のトランプ政権は円安を問題視しており、介入のハードルは低いとの見方がある。(根本和哉)