「退職代行モームリ」運営会社社長と妻を逮捕 弁護士法違反容疑で

社会 毎日新聞 2026年02月03日 09:13

 会社を辞めたいが、自分から上司に言いたくない。そんなニーズをくみ取った「退職代行」は近年、急拡大を続けてきた。

 「人生オンリーワン 業界No.1」

 「これって違法? 違法じゃないです 希望です!」

 だが今回、そんな宣伝文句を流してきた最大手で、法律の線引きを超えた業務があった疑いが浮上した。

 本人に代わって勤務先に退職の意思を伝える代行サービスを巡り、報酬と引き換えに顧客を弁護士にあっせんしたとして、警視庁保安課は3日、「退職代行モームリ」の運営会社「アルバトロス」(横浜市中区)社長の谷本慎二(37)と妻で同社退職支援事業部長の志織(31)の両容疑者を弁護士法違反(周旋)容疑で逮捕した。

 一部の退職代行サービスについては、かねて弁護士会から違法性の指摘があり、警視庁は2025年10月にアルバトロスや都内の弁護士事務所を家宅捜索して捜査を進めていた。

 逮捕容疑は2024年、弁護士資格がないのに、退職希望者と勤務先との間で生じる法的な交渉を、弁護士事務所に報酬目的であっせんしたとしている。

 また、提携していた二つの弁護士事務所にそれぞれ所属する弁護士2人と、事務員については、紹介を受けた弁護士法違反(非弁提携)容疑で任意で調べている。

 弁護士法では、弁護士資格のない人が法的な交渉を報酬目的で第三者に仲介することを禁じている。また、弁護士側もそうした紹介を受けることはできないと定めている。

 退職代行サービスは2017年ごろに登場し、需要が広がった。本人に代わって企業側に退職の意思や理由を伝え、貸与品の返却などの事務手続きをする。

 一方、残業代の請求などの交渉まで取り扱う例もあるとみられ、東京弁護士会は24年11月、「非弁行為を含む可能性がある」と注意喚起していた。

 アルバトロスは22年創立。ホームページによると、利用料は正社員・契約社員の場合が2万2000円、アルバイトは1万2000円。実績については「年間2万件以上の退職を確定」させたとしている。【菅野蘭】

関連記事

記事をシェアする