高市首相の「ホクホク」発言、片山財務相は「円安メリット強調してない」 問題なしの認識

経済 産経新聞 2026年02月03日 19:00
高市首相の「ホクホク」発言、片山財務相は「円安メリット強調してない」 問題なしの認識

片山さつき財務相は3日の記者会見で、「円安で外国為替資金特別会計(外為特会)の運用もホクホク状態だ」などとした高市早苗首相の発言に関し「特に円安メリットは強調していない」と述べた。首相は発言を巡って自身の交流サイト(SNS)で円安にはプラスとマイナスの両面があると説明し、片山氏も「財務相として同じ整理だ」として、問題はないとの認識を示した。

首相は1月31日、川崎市内で衆院選の応援演説に立ち為替問題に言及。「昔、民主党政権の時、超円高で輸出しても売れず、日本企業は海外にどんどん出ていった。失業率も高かった」とする一方、足元の円安は「輸出産業に大チャンス。外為特会の運用はホクホク状態だ」と指摘した。

その上で「円高がいいのか円安がいいのか分からない」としつつ「為替が変動しても強い日本の経済構造を作りたい」と強調した。

外為特会は為替介入の資金を管理し、円安で保有する米国債などの利子収入が増加。2024年度の剰余金は5兆3603億円と公表開始以来で最多だった。剰余金は防衛費の財源などに使われ、減税の財源としても取り沙汰されている。

首相の発言は一部で「円安のデメリットに触れなかった」などと報じられ、首相は2月1日に自身のSNSで真意を説明した。

首相は投稿で「あくまで「『為替変動にも強い経済構造を作りたい』との趣旨を申し上げたのであり、一部報道にあるように『円安メリットを強調』したわけではない」と語った。「足元の円安ではエネルギーや食品など物価高が課題で、政府として対応すべきなのは当然」とも語った。

円安は外為特会のほか、輸出企業の業績向上やインバウンド(訪日客)増加につながる。好業績に支えられ株価も上昇傾向にある。一方、食料品やエネルギーの輸入コストは上昇し、家計負担は重くなる。原材料費の高騰で経営難となる中小企業も出てきている。

2日の東京外国為替市場の円相場は首相発言を受けて円売りが進み、一時1ドル=155円台半ばを付け、前週末から1円以上円安になった。3日の東京市場でも円安に振れた。

片山氏は3日の会見で、首相発言は単に「教科書に書いてあることを申し上げた」ものだと説明。その上で、過度な円売り・ドル買いに対しては「今後とも必要に応じて米当局と緊密に連携を続けながら適切に対応を取る」と話した。(根本和哉)

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