米が重要鉱物の備蓄制度、民間向けで初 計2兆円投入 中国など供給途絶リスク対応

経済 産経新聞 2026年02月03日 21:29
米が重要鉱物の備蓄制度、民間向けで初 計2兆円投入 中国など供給途絶リスク対応

【ワシントン=塩原永久】トランプ米大統領は2日、米国の自動車やITなどの民間企業向けに、ハイテク部品に不可欠なレアアース(希土類)をはじめとする重要鉱物を備蓄する制度を立ち上げると発表した。米国では軍事部門向けの重要鉱物の備蓄制度があるが、民生部門向けは初めてになる。民間資金と米輸出入銀行の融資で計約120億ドル(約1兆9千億円)規模を投じる。中国の輸出規制への懸念が高まり、供給が途絶えるリスクに備える。

トランプ氏がホワイトハウスで記者団に計画を表明した。自身の就任後1年間で「米国が必要とする重要鉱物と希土類を確保するための並外れた対応策を講じてきた」とも語り、新たな備蓄制度に期待を示した。

レアアースの生産・精製で高い世界シェアを持つ中国の輸出規制で重要鉱物の供給が細り、米国内の自動車などの製造業で生産が滞る事態が起きた。米政権はこれまでレアアースの採掘・精製企業への出資を表明するなど、国内での重要鉱物の調達確保を急いできた。

世界的な石油危機時に備えた原油の戦略備蓄制度と同様、重要鉱物の供給不足などが起きれば備蓄から放出する仕組みになるとみられる。ロイター通信は米政府関係者の話として、当面は60日分の備蓄を目標にすると伝えた。

備蓄制度は米輸出入銀行が100億ドル規模の融資枠を設け、民間企業から20億ドル規模の資金投下を見込む。米ブルームバーグ通信によると、自動車のゼネラル・モーターズ(GM)やIT大手のグーグル、航空機大手ボーイングといった計十数社が参加する方向だという。参加企業が一定価格での購入を約束した上で、手数料を前払いして重要鉱物を調達、保管してもらう構想とされる。

関連記事

記事をシェアする