アンコウを気球で成層圏に!? 宇宙食開発へ肉質の変化調査 茨城の旅館、CF募る

科学・医療 産経新聞 2026年04月02日 07:37
アンコウを気球で成層圏に!? 宇宙食開発へ肉質の変化調査 茨城の旅館、CF募る

茨城県の代表的な食材・アンコウを使った宇宙食の開発を目指す「あんこうの宿まるみつ旅館」(同県北茨城市)が、その第一歩としてアンコウの切り身を気球で成層圏へ打ち上げ、肉質の変化などを調べる実験に挑むことになった。打ち上げ費用約300万円はクラウドファンディング(CF)で募る。順調に計画が進めば、気球は9月中に成層圏へ向けて出発する予定だ。

打ち上げを計画しているのは、まるみつ旅館の武子能久社長(50)。北茨城市のまちおこしのため、最終的には地元で水揚げされるアンコウを使った宇宙食の実現を目指す。ただ、宇宙航空研究開発機構(JAXA)から正式に認証を得るには、宇宙食を加工するための専用設備や多額の資金などが必要で、ハードルが高いのが実情だ。

このため、まずは食材であるアンコウの切り身を気球で高度3万メートルまで打ち上げることにした。マイナス50度以下となる成層圏で切り身の味や形がどう変わるかなどを研究する。「プロジェクトを通じて、アンコウや北茨城への注目度が上がれば」(武子社長)という狙いもある。

気球による成層圏への打ち上げは、数多くの実績を持つ専門チーム「Kikyu.org」に委託する。

気球には切り身以外に、茨城キリスト教大大学院(同県日立市)で食物健康科学を専攻する根本恵来さん(23)が研究に取り組むアンコウの肝油を使った加工食品も搭載する予定だ。

まるみつ旅館は同大食物健康科学科の大貫和恵准教授(48)が指導するゼミと協力し、アンコウの肝油入り食品をこれまでに5種類開発した。認知症予防に役立つとされるDHA、血液をサラサラにするEPAの2つの成分が含まれる。根本さんも同ゼミの卒業生で、3月22日に北茨城市で開催された「全国あんこうサミット」では、後輩ゼミ生が考案したアンコウの肝油入りドーナツ「あんきモーナツ」約70個を大貫准教授とともに完売した。

加工食品を成層圏へ打ち上げる計画に、根本さんは「わくわくする。これで北茨城市のアンコウをPRできれば」とうなずく。

気球の打ち上げ地点は県内か福島県の山間部を予定している。気球は、成層圏で凍って割れるとパラシュートで太平洋上に着水し、衛星利用測位システム(GPS)を使って追跡してチャーター船で回収する。気球に搭載したカメラの映像は北茨城市内に設ける会場へ中継され、CFへの協力者らに公開される予定となっている。

資金調達のためのCFはプラットフォーム「CAMPFIRE」で5月1日から1カ月実施する。(三浦馨)

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