自民党の有村治子総務会長は3日の記者会見で、高市早苗政権が掲げるインテリジェンス(情報収集・分析)の機能強化策が「スパイ防止法」と呼称されている現状に違和感を呈した。「本質を必ずしも的確に表していない」と述べ、「早い段階から『この言葉を多用すべきではない。ステレオタイプ(固定観念)で動くのは止めた方がいい』と政府や自民党内に伝えてきた」と明かした。
スパイ防止法の呼称は、与野党や産経新聞を含むメディアなどで広まっている。これに対し、最高で死刑を科すことを盛り込み、昭和60年に国会に提出された自民のスパイ防止法案を想起させるとして「地に足の着いた議論から遠ざけている」(国民民主党の橋本幹彦衆院議員)と苦言を呈する声もあがる。
有村氏は、2日に衆院で審議入りしたインテリジェンスの司令塔機能強化に向けた「国家情報会議」などの設置法案については「国民のプライバシーを脅かすものではない。丁寧に国会の論議の中で明らかにされることが重要だ」と強調した。
安全保障上の政治判断を下すうえで海外の機微な情報を収集する必要性を訴え、「政治の使命は確かな意思決定をしていくことだ。外交や防衛、経済、技術に関して日本が日本であり続けるため、的確な情報を取れるようにしておくことは極めて大事だ」と述べた。
「外国勢力、外国政府と通じた人々からの不当な影響がないようにしていくのも極めて大事な価値だ。工作活動から日本を守ることは大事だ」とも訴えた。(奥原慎平)