アルテミスの宇宙船が54年ぶりに有人月周回、NASA発表 月面に6545キロまで接近

科学・医療 産経新聞 2026年04月07日 12:03
アルテミスの宇宙船が54年ぶりに有人月周回、NASA発表 月面に6545キロまで接近

米航空宇宙局(NASA)は日本時間7日、国際有人月探査プロジェクト「アルテミス計画」の宇宙船「オリオン」が同日朝、月の裏側の飛行に成功したと発表した。有人月周回はアポロ宇宙船以来54年ぶり。ほぼ計画通りの飛行経路で、月の裏側では、地球からの距離が人類史上で最も遠い約40万6770キロに到達。1970年にアポロ13号が記録した約40万170キロを6000キロ以上更新した。

NASAによると、オリオンは7日午前7時44分、月の裏側に入った。同8時には月面に最接近して高度約6545キロを飛行し、2分後に地球から最も遠い地点を通過。同8時24分に、地球側へ戻ってきた。

月の裏側を飛行中、地球との通信が途絶したが、地球側に戻って通信復旧後に届いた飛行データをNASAが解析し、月裏側の飛行経路を割り出した。オリオンは今後、地球に向かう軌道を飛行し、11日朝に大気圏に再突入。米カリフォルニア州沖の太平洋に着水して帰還する。

今回の飛行は、月を一回りする一般的な月周回軌道ではなく、月の裏側に回り込んでから、そのまま地球に戻る軌道を採用している。月の重力を利用して進路を変え、地球に帰還できる軌道に正確に入るには、高度な制御技術が求められた。

また、通信が途絶える月の裏側を飛行中に不測の事態が発生した場合には、地球からの遠隔操作による支援が見込めない。そのため、今回の飛行計画の中で、最大の難所とされていた。(伊藤壽一郎)

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