米国とイランの戦闘終結に向けた協議では、2週間の停戦中には解決が見通せない難題が山積する。イランが提示した10項目の条件を土台に議論が行われるとみられるが、特に難航が予想される主要な争点をまとめた。
〔ホルムズ海峡開放〕
イランは事実上封鎖したホルムズ海峡で船舶から通航料徴収を始めたとされる。さらに「管理を新たな段階に移す」(最高指導者モジタバ・ハメネイ師)と通航制限強化を模索。世界経済の混乱を「人質」にして譲歩を迫る。一方の米国は、トランプ大統領がいったんはイランと共同徴収する案に言及したが、後に通航料は認めないと表明し、完全な開放を要求。イランにとっては交渉の重要な切り札で、開放実現のめどは立たない。
〔不可侵・賠償・制裁解除〕
イランは、米国が再び侵略しない保証と賠償金、制裁解除も訴える。ホルムズ海峡の通航料と合わせ、荒廃した国内の復興財源を確保したい考え。交渉団を率いるガリバフ国会議長は制裁に伴うイラン国外資産凍結の解除も主張。英BBC放送によれば、凍結資産の総額は推計1200億ドル(約19兆円)とされる。いずれも米国が容易に応じる余地は小さい。
〔核・ミサイル開発〕
米国はイランの核兵器開発につながるウラン濃縮活動の完全停止を求め、イランは「核の平和利用の権利」として濃縮継続を譲らず対立する。イランは昨年と今年の2度の高官協議で、米国と高濃縮ウランの希釈を議論したとされるが、いずれも協議途中で先制攻撃を受けた。また、イランの弾道ミサイルの脅威を訴えるイスラエルの要請もあり、ミサイルの射程や保有数の制限も求めるとみられる。
〔レバノン戦闘停止〕
米イスラエルが「レバノンは停戦対象外」とする一方、イランは「全戦線での戦闘中止」を主張。特に、イランは「一心同体」と言われるイスラム教シーア派組織ヒズボラに対するイスラエルの攻撃強化に反発を強める。対イラン戦闘の継続を望むイスラエルが攻勢を続ければ、協議が暗礁に乗り上げる恐れがある。(イスタンブール時事)。