【ニューデリー時事】パキスタンは米国とイランの戦闘終結に向けた協議の自国開催を通じ、国際社会での影響力拡大を模索している。シャリフ首相にとっては、国内での求心力を高める上でもまたとない好機だ。
シャリフ氏は10日のテレビ演説で、パキスタンでの和平交渉が停戦の「成否を左右する」と協議の重要性を強調。その仲介は「イスラム世界全体にとっても誇らしい」と述べた。
パキスタンは隣国イランに次ぐ世界で2番目に多いイスラム教シーア派人口を抱え、自らをイランの「兄弟国」(シャリフ氏)と位置付ける。一方、イランを脅威と見なす同教スンニ派の大国サウジアラビアとも友好関係を維持。昨年サウジと相互防衛協定を結んだ。
対米関係は浮き沈みを繰り返してきたが、第2次トランプ政権下で急接近した。指導部はトランプ大統領をノーベル平和賞候補に推薦。トランプ氏は軍トップのムニール参謀長を「お気に入りの元帥」と呼んでおり、互いの信頼構築が進む。
イスラム圏で唯一核兵器を持つ国として知られるパキスタンだが、今回の仲介では平和的な外交で存在感を示そうとしている。対米関係強化などを通じ、インドとの国境紛争で優位に立とうという計算もありそうだ。
ただ、パキスタンは対イラン軍事作戦のもう一方の当事国であるイスラエルと外交関係がない。停戦に消極的とされるイスラエルの今後の動きに、協議の行方が左右される可能性もある。