重要鉱物囲い込みで「新たな中国モデル」 23年以降で1200億ドル投資、豪報告書警告

国際 産経新聞 2026年04月13日 12:00
重要鉱物囲い込みで「新たな中国モデル」 23年以降で1200億ドル投資、豪報告書警告

日米欧がレアアース(希土類)などの「脱中国依存」に動く中、中国が重要鉱物への投資をさらに加速させている。オーストラリアのシンクタンクが3月に発表した報告書によると、中国は2023年以降、鉱物資源の対外投資に1200億ドル(約19兆円)超もの巨額を投じた。日米欧の動きを見据え、中国が戦略資源の囲い込みに動いている可能性がある。

豪シンクタンクのクライメート・エネルギー・ファイナンス(CEF)が3月19日に発表した報告書によると、23年以降、中国の対外投資の中で最も際立ったのが鉱物資源だ。レアアースやリチウム、ニッケル、鉄鉱石を中心に、1200億ドル超の投資が確認された。

世界全体の対外直接投資は近年、年間1・3兆ドル~1・6兆ドルで推移する。23年以降の中国の鉱物資源投資額を年400億ドルと仮定すると、単純比較で全体の3%前後を1カ国の1つの分野だけで占める計算となり、いかに大きな数字かが分かる。

CEFは、中国が重要鉱物を活用した再生可能エネルギーや電池、電気自動車(EV)への巨額投資を通じ、気候変動対策やエネルギー安全保障の面で各国に利益を生んでいると評価。トランプ米政権が環境政策を後退させる中、中国を世界の「脱炭素の圧倒的なリーダー」だと位置づけた。

一方、重要鉱物は人工知能(AI)や半導体の先端産業、防衛・安全保障とも密接に関わる。報告書は、中国の〝支配〟が続けば、供給網の対中依存といった重大なリスクが増大するとも警告した。重要産業に不可欠な鉱物で優位性を確保し、世界での影響力拡大を図ろうという中国の意図も透ける。

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