JFEスチール東日本製鉄所(川崎市川崎区)でクレーンの解体作業中に約400トンの重りが落ち、作業員5人が転落して4人が死傷した事故。当時は地上約35メートルで重りを削って軽くする作業の最中で、専門家からは「解体する建築物の上に乗って作業するのは無謀だ」と、施工管理のあり方を疑問視する声も上がっている。
工事現場の施工や解体に詳しい三原斉・ものつくり大学教授(建築生産)は、重りの解体について「莫大(ばくだい)な時間と手間がかかっても、地上に降ろして安全を確認してから解体すべきだった」と訴える。
高所で解体せざるを得ない場合も、重りの上に乗るのではなく、周囲に作業台を設置して重機のアームで作業していれば、事故を防げた可能性を指摘。県警は事故原因や責任の追及を進めるが、三原教授は「重りが落下した時のことを想定して施工計画を立てたかが焦点だ」と話す。
事故は14日で発生から1週間を迎えた。海中に落下したとみられる40代の男性作業員はまだ見つかっていない。県警などは連日捜索を続けるが、水中に積もったがれきの撤去がネックになっている。
これまで県警や海上保安庁などは、水中にダイバーやドローンも投入してきた。ただ、がれきで濁った水中は視界が悪く、見通せるのは1メートルほど先にとどまるという。
14日にはクレーン付きの作業船が現場に投入され、今後、重りやがれきの撤去を目指す予定だ。【真栄平研、清水夏妃】