キングペンギンが暗い海で魚捕らえる 世界初の瞬間を撮影 東大など

科学・医療 毎日新聞 2025年05月28日 18:38
キングペンギンが暗い海で魚捕らえる 世界初の瞬間を撮影 東大など

 太陽光がほとんど届かない深度100メートルより深い海で、キングペンギンが魚を捕まえる瞬間を世界で初めてとらえたと、東京大大気海洋研究所など日仏のチームが28日発表した。謎の多い海洋生態系の解明に役立ちそうだ。

 チームは2024年2月2日(現地時間)、インド洋の無人島ケルゲレン諸島の海域で行動する体長約1メートルのキングペンギンの背中に、赤色発光ダイオード光源の付いた円筒カメラ(重さ128グラム、直径38ミリ、長さ67ミリ)を装着。8日後にカメラを回収し、画像を解析した。

 その結果、2月4日未明の約1時間半の間に、水面から深度約150メートルまでを十数回にわたって潜水しながら捕食を136回試み、このうち118回も魚を捕まえることに成功していた。

 また、ペンギンは捕食する0・5~1・5秒前(魚の1~3メートル手前)で狙いを定めたかのように首を餌の方に向け、一気に大きさ数センチの魚に近づき、食べていた。

 装着した光源は、人間には見えても、多くの海洋生物は感じない赤色(波長660ナノメートル)を使った。魚もペンギンの存在に気付かず、自然の姿をとらえられたという。魚の種類は不明だが、キングペンギンは主にハダカイワシを餌にしている。

 チームの坂本健太郎准教授(生態学)は「この海域ではゾウアザラシやオットセイといった他の大型動物も生息し、いずれもハダカイワシなどを捕食している。今後、ライバルとの共存方法を解明することで、生態系保全にも役立てたい」と話す。【田中泰義】

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