AI時代に、なぜモジュラーシンセ?──渋谷で開催「Patching for Modular」に注目

科学・医療 Gizmodo Japan 2025年05月28日 19:30
AI時代に、なぜモジュラーシンセ?──渋谷で開催「Patching for Modular」に注目

AIの時代に、あえてケーブルを挿す。

2020年、世界が止まった。

パンを焼く人、筋トレに目覚める人、自己啓発に没頭する人──そして私は、モジュラーシンセに手を出した。

きっかけは何となく見ていたヤフオクで、木製パネルの美しいセットに目を奪われたこと。それはチェコ共和国の天才アート集団「Bastl Instruments」が手がける非常に珍しいモジュラーシンセだと説明されていた。よく知らないけど「この東ヨーロッパ(中東欧)の古い建築物のような質感。音も絶対イイに違いない」と直感で購入した。

使い方はわからない。でも、パッチケーブルを差し、ツマミを回し、音が鳴る。その一連の所作に、どうしようもなく心を奪われた。音というより、音が“生まれるプロセス”そのものが面白いのだ。

ある日、来日中のジェフ・ミルズにインタビューする機会があった。

ブラックホールは解明できるのか? “ブラックホール先輩”ことジェフ・ミルズの考えを聞いてみた

ブラックホールとは、テクノロジーを超えた先にあるもの?2024年4月1日に東京・ZEROTOKYOにて行なわれたライブ・オーディオビジュアル作品のCOSMIC...

https://www.gizmodo.jp/2024/06/jeff-mills-black-hole-the-trip-2.html

話の流れで「AIで音楽が作られる時代だからこそ、手でケーブルを挿して音を生み出す体験に価値があると思う」と言ったところ、普段クールな彼が一瞬表情を緩めて「その気持ち、よくわかるよ。頑張って」と言ってくれた。

あの一言で、筆者はもう引き返せなくなった。

「Patching for Modular」とは?

国産モジュラーの“今”が集結するリアルイベント。

モジュラー初心者から、すでに沼の住人となったベテランパッチャーまで楽しめるイベントが、この夏渋谷で開催される。

その名も「Patching for Modular」。

日時は2025年7月20日(日)、会場は渋谷CIRCUS TOKYO。主催は、ダンスミュージックに特化したモジュラーライブ「Patching for life」を手がける「Sakana」さんと、これまでにも“銭湯×電子音”や“劇場型モジュラーライブ”など、独創的なイベントを仕掛けてきたモジュラーアーティスト/オーガナイザー「お雑煮」くん。

7/20(日)国産モジュラーシンセの展示・即売会「Patching for Modular」が開催されます!日本全国からメーカー&ビルダーが集結!各ブースの商品を買い揃えてシステムが組めるかも……!モジュラーデビューにもおすすめの1日です。前売り券は、当日券より-500円OFF!https://t.co/NASD4bR6NMpic.twitter.com/OeTeTk0Kck

Five gさまにポスター掲載していただきました!チケット販売中です!https://t.co/AG3DtOh1ZJpic.twitter.com/D5xTojt0jV

「モジュラーって気になるけど、何から手をつけたらいいかわからない…」。そんな人がとりあえず見に行って“実際に触れる”リアルな入り口として、このイベントはかなり貴重だ。

出展者は20組以上。国産モジュラーの最前線がここに

当日は20を超える国産ビルダー/メーカーが出展予定。それぞれが独自の哲学と美意識をもって製作するモジュールは、音だけでなく形、素材、思想までもが違う。

特に注目なのは以下のビルダーたち:

・Hikari Instruments:視覚的にも美しいシンセ設計が人気。大胆かつユニークな操作系は国内外で高評価。・Tokyo Tape Music Center:往年の電子音楽にルーツを持つ設計思想が光る。アナログ機材ラバー必見。・Jamming:ライブパフォーマンスに特化したフットワークの軽い設計が魅力。・lleqpue9:初出展となる新鋭ブランド。未知のインターフェースとコンセプトに期待。・電氣美術研究會:アートと電子音の境界線を揺さぶる独創的ビルダー。

その他、Centrevillage、Hügelton Instruments、osc兄弟、StudioKATなど、普段ネットでしか見かけないようなモジュールが実際に「聴けて・触れて・買える」空間になる。なモジュールが実際に「聴けて・触れて・買える」空間になる。

見て、聴いて、触って、買える

展示だけじゃない。

当日は会場内でモジュラーを使ったライブパフォーマンスや、初心者向けのデモ・レクチャーも予定されている。出展者自らが機材の説明をしてくれる機会もあり、「見るだけ」では終わらない、“参加型の音体験”ができる。

もちろん、気に入ったらその場で購入も可能だ。難しそう、敷居が高そう──それは多くの人が持つ先入観。でも、実際にパッチケーブルを1本挿して音が鳴ると、そんな不安はどうでもよくなる。“音が鳴る快感”は誰にでも開かれている。

このイベントは、買う人・作る人だけのためじゃない。ただ聴きたい人、見たい人、試したい人、音の新しい遊び方を探している人──すべての“好奇心”に応える場所になっている。

Patching for anything presents 「Patching for Modular」

日時:2025年7月20日(日)14:00〜20:00会場:CIRCUS TOKYO

チケット情報:前売り:2500円(入場料)+800円(ドリンク代別途)、当日:3000円(入場料)+800円(ドリンク代別途)、Under 22:1000円(入場料)+800円(ドリンク代別途)*限定150枚 定員になり次第締め切り*Under22チケットは、年齢が確認できる身分証の提示が必要になります

前売りチケット販売ページ

Source: Pointed

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