【卓球】64年ぶりV篠塚大登の言葉は自信の裏付け「結構、人の目を気にしちゃう」

スポーツ 日刊スポーツ 2025年05月29日 07:01
【卓球】64年ぶりV篠塚大登の言葉は自信の裏付け「結構、人の目を気にしちゃう」

卓球の世界選手権個人戦男子ダブルスで日本勢64年ぶり優勝を飾った篠塚大登(21=愛知工大)戸上隼輔(23=井村屋グループ)組が26日、新種目として実施される28年ロサンゼルス五輪での金メダルを誓った。

開催地カタール・ドーハから帰国し、千葉・成田市内で記者会見。前日25日の決勝では台湾ペアに3-2で逆転勝ちし、61年北京大会の星野展弥、木村興治組以来の頂点に立った。

現実を冷静に見る性格という篠塚が、シングルスでの表彰台への欲も見せた。

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金メダルの余韻が残る帰国会見で、冷静な篠塚が力を込めた。

「世界選手権の表彰台が初めてだったので、君が代が流れた時は鳥肌が立ちました。ダブルスもこのいい状態でいきたいですし、シングルスも表彰台に上がれるように頑張りたいという気持ちが強くなりました」

篠塚の誓いは自信の裏付けでもある。過去に明かした。

「『こうなりたい』とかはありますが、やっぱり卓球になると、自分にプレッシャーがかかってしまう。自分の気持ちが苦しくなるので、現実的なことしか言えない。結構人の目を気にしちゃうので『強く言って実行できなかった時にどうしよう』と考えてしまう。あんまり言わないですね」

愛知県出身で、父は未経験者ながら県内の高校で卓球部の顧問を務めていた。礼儀には厳しく、あいさつをしない時には諭された。

小学6年生で強豪の愛工大名電中の練習を見学し、当時高校生だった木造勇人(25)の練習への高い意識を目の当たりにした。中学入学後に「強い選手はこれだけやるんだと思った。練習をちゃんとやるようになった」と意識が変わった。

24年パリ五輪代表選考レース当初は「パリに出るというより、自分の経験」という感覚だった。徐々に立ち位置が上がり、見つめる世界が変わった。

24年2月の世界選手権団体戦(釜山)。絶対王者の中国戦で21年東京五輪2冠の馬龍と対峙(たいじ)した。1ゲームを奪う善戦で「もっと欲が出た。金メダルを目指したい気持ちが出てきた。現実を見ちゃうタイプなので『今の自分じゃ金を目指せない』と思ったら発言しない」と1つ階段を上がった実感があった。

キャリアを積む上で、勝負どころで声が出るようになった。周囲からも促され「試合では絶対に必要。冷静な時もありつつ、大事な時は声を出す。最初は意識的でしたが、最近は勝手に出るぐらいまできた。小さい頃は恥ずかしくて、出そうとしても、どこで出したらいいか分からなかった」と感情を表に出し始めた。

声は相手に圧をかけ、自らを奮い立たせる大切なツールを考える。成長著しい21歳は、着々と殻を破っている。【松本航】

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