売り上げが低迷し、3月末まで休止予定となっている千葉市の公営自転車競技「250競走(PIST6)」について、4月以降も再開が見通せない状況であることが3日、複数の関係者への取材で分かった。投票窓口の拡大に向けた調整が難航しているためで、再開の目標時期を4年後ろ倒しの令和12年度にまで延期する。近く発表する。市は事業の継続に向け、他の競輪場を借りてレースをする「借り上げ開催」の検討に入った。
PIST6は同市中央区のドーム施設で開催する新たな競輪競技で、令和3年に始まった。市が主催し、公営競技の運営などを行う民間企業「JPF」(東京都)が運営、管理する。一般的な競輪場よりも短い1周250メートルの木製バンクを使用し、6車立てで競走。施設内に券売機はなく、音楽や照明を使った巧みなレースの演出でギャンブル色を薄め、競輪に興味がなかった若者や家族連れらの取り込みを狙ってスタートした。
だが、売り上げは低迷。全国のどのレースでも車券を購入できる共通の投票システムを活用せず、PIST6専用の投票システムを採用したが、熱心な競輪ファンに浸透しなかった。年間売り上げ目標120億円に対し、10億円台で推移。宣伝に人気ユーチューバーを起用した令和6年も約38億円にとどまった。
市は売り上げアップに向け、共通システムを採用している大手チケットサイトへの接続や開催形態の見直しが不可欠と判断。昨年8月に同10月から今年3月末までの休止を発表した。
しかし、調整は難航。従来の7~9車立ての競輪と違い、6車が前提の競走であることや、勝ち上がり形式で1日に2回走るといった開催形態が、全国共通の投票システムになじまず、システム改修にも多額の費用と時間を要するからだ。従来の競輪に近い開催形態に戻すことが必須だが、バンクの形状も特殊で、改修が必要になる。
自転車競技法では、自治体が1年以上競輪を開催しなかった場合、「総務大臣がその指定を取り消すことができる」と定められている。市は開催実績を残すため、来年度中にも借り上げ開催の手法を用いて近隣の競輪場で一部のレースを実施したい考えだ。