卓球の世界選手権個人戦男子ダブルスで日本勢64年ぶり優勝を飾った篠塚大登(21=愛知工大)戸上隼輔(23=井村屋グループ)組が26日、新種目として実施される28年ロサンゼルス五輪での金メダルを誓った。
開催地カタール・ドーハから帰国し、千葉・成田市内で記者会見。前日25日の決勝では台湾ペアに3-2で逆転勝ちし、61年北京大会の星野展弥、木村興治組以来の頂点に立った。
世界での活躍を夢見た少年は、男子ダブルスが新たに実施される28年五輪で頂点を目指す立場になった。
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帰国会見で、戸上は世界一の余韻をかみしめた。
「(金メダルを取れば)64年ぶりということは、試合前に分かっていました。勝てば歴史的快挙になると、頭の片隅にありました。今の率直な気持ちは素直にうれしいのと、優勝した実感がない。入り交じって、半々で複雑な気持ちです」
地元は三重県。3歳で卓球を始めた。3人兄弟の末っ子で、5歳の頃に9学年上の次男の試合を観戦して、母に「本気で卓球をやりたい。頑張る」と誓った。母の指導も受けて「ちょっとでも気を抜いたり、遊んでいるのを見たら怒られる。『誰かがいないから気を抜いていい』というのはなくなりました。常に全力で、誰がいつ見ていても、練習をちゃんとやっていると思われるような姿勢を学びました」と土台を培った。
根底に競技への愛がある。小学生のころは卓球雑誌の最後に記された最新世界ランキングを見て、妄想でトーナメント表を作った。
「自分は左上の第1シード。右下の第2シード(08年北京五輪2冠の)が馬琳選手だったり、第3シードも中国の選手。妄想して、道場の親しい人の名前も入れて、楽しんでいました」
小学2年生から在籍した津市の松生卓球道場には、リビングで卓球の映像が流れていた。
「それを見て『この選手の卓球は格好いいから、妄想の結果も良くしよう』だったりを考えていました。卓球が大好きで、小学生のころから毎日、飽きることなく練習していました」
一方で小学生のころは「世界へ、という姿はあまりイメージできなかったです」と振り返る。中学卒業後は山口県の野田学園高、大学は明治大と強豪で腕を磨き、24年パリ五輪後はドイツのブンデスリーガ1部リーグで経験を積み、求めていた以上の結果を出した。
「次はオリンピックの金メダルを目指して頑張りたいと思います」
“妄想トーナメント”を現実にする挑戦は続く。【松本航】