最難関のデブリ取り出し 3回目採取はロボットアーム 令和33年廃炉完了は暗雲

経済 産経新聞 2026年01月15日 19:58
最難関のデブリ取り出し 3回目採取はロボットアーム 令和33年廃炉完了は暗雲

東京電力福島第1原発で、2号機に残る使用済み燃料搬出を前に東電が15日、クレーンなど搬出用設備の試運転を報道公開した。使用済み燃料搬出は廃炉に向けた重要工程だ。

廃炉に向けては、炉心溶融(メルトダウン)を起こした1~3号機内からの溶融燃料(デブリ)の取り出しが、最難関となる。

デブリは、東日本大震災の地震や津波による電源喪失で原子炉を冷やせなくなり、圧力容器内の燃料が過熱。炉内の構造物とともに溶け落ち、冷え固まったものだ。

震災時に稼働中だった1~3号機でメルトダウンが発生。容器内などに合計で880トンが堆積していると推計される。使用済み燃料と違って原形をとどめておらず、取り扱いがより難しい。

東京電力は使用済み燃料の搬出を終えている3号機で令和19年度以降、デブリの本格的な取り出しを始める方針。現状は、試験採取として2号機から0・9グラム(6年11月に0・7グラム、7年4月に0・2グラム)を回収しただけにとどまる。総量の約10億分の1だ。

東電は8年度、2号機で3回目の試験採取を実施予定で、初めてロボットアームを投入する。過去2回で採用した釣りざお式の装置と比べ、広範囲にデブリを捜索可能になるメリットがある。

デブリは堆積場所によって成分が異なる可能性があり、採取したデブリの成分を分析するなどし、大規模取り出しにつなげる計画だ。

ただ、試験採取はもともと3年に着手予定だったが、ロボットアームの開発の遅れなどで延期を重ねた。大規模取り出しに向けても、情報収集のために3号機で計画している超小型ドローンでの内部調査で、貫通部から挿入ができず、昨年12月中の開始を断念するなどトラブルが続く。

国と東電は33年の廃炉完了を掲げるが、実現は困難との見方がある。(中村翔樹)

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