ワークマンの秋冬アウターが堅調で、中でもメンズ防寒ジャンパーの販売数が140万点を突破した(2026年1月時点)。「着る断熱材」と呼ばれる「Xシェルター」シリーズが話題となる一方、2018年から展開する定番品も一定の支持を得ている。物価高が続く中、手頃な価格と機能性の両立で支持を集めている。
冬物アウターが好調な背景には、消費者の購入行動の変化がある。冬場の気温差が激しくなったことで、日常的にダウンを着用する機会は減少傾向にある一方、帰省や初詣など突発的な寒さ対策ニーズは高まっている。
「数日のために高額ダウンは買えないが、寒さはしのぎたい」という層に、低価格で機能性を備えた定番品が選ばれている。
さらに、物価高の影響で「買い物に失敗したくない」という心理が働きやすいことも、販売実績のある定番商品への信頼につながっている。
1月時点の販売数量ランキングを見ると、1位は2018年から発売する「アルティメットフーデッドパーカー」(4900円)、2位が2024年に登場した「Xシェルター」シリーズの「断熱αウォームジャケット」(3900円)となった。ここ3年の累計でも、アルティメットフーデッドパーカーは、2位の約2倍を販売しているという。
アルティメットフーデッドパーカーは作業用向けに開発した商品だが、ワークマンプラスなどカジュアル業態の展開後は幅広い層が購入している。
内側の背中部分にアルミ素材を採用し、保温力を高め、首からフードにかけて触り心地のよいフリースを配置。軽装でも使用されるケースがあるほど保温性が高く、「着込むと暑すぎるくらい」という口コミが多く寄せられたことから、2025年モデルでは軽く前だけ止められるボタンを追加した。
2023年に追加したホワイトは、Sサイズからのサイズ展開と合わせて、女性層の普段着としての利用が見られるようになった。ホワイト、ウッドオーカー、シャンブレーグレー、オレンジ、ブラックの5色を展開している。
公式オンラインストアの中わた・ダウンカテゴリー内で、口コミ人気1位を獲得(2025年12月現在)したのが、2018年から発売している「ディアマジックダイレクト防風防寒ジャンパー」(3900円)だ。
同商品は、企業の制服として採用されるケースも目立ち、屋外作業が多い業種で導入が進むなど、ロット単位での注文も多い。50回洗濯しても撥水性が持続する耐久性と、しゃがんでも背中が出にくい動きやすさへのこだわりが、作業現場での導入につながっている。
広報担当者によると、降雪地帯で特に人気が高く、雪かきなど屋外での作業で利用されているという。
2025年モデルでは、作業用として視認性の高い明るい色を追加。カラーはイエロー、バーミリオンレッド、ミックスネイビー、ブラック、ミックスブラウン、ミックスグレーの6色を展開している。
本格的な冬を迎えて、好調な売れ行きを見せているのが、「ギガパフフュージョンダウンフーディ」(4900円)だ。前モデルと比べて中綿を2倍に増やし、カジュアル寄りのオーバーサイズデザインに変更。薄手・高断熱という近年のトレンドとは異なる商品だが、厳寒時の使用を想定した設計とした。
ダウン(羽毛)を使用しながら洗濯機で洗えるほか、針穴サイズの穴が開いても生地が自然に元の状態に戻る「リペアテック」機能を搭載し、羽の吹き出しを防ぐ。長持ちする上に洗えるという実用性が支持される要因だ。
リニューアル後は街中での利用が増え、カジュアルな日常着として幅広い年齢層が購入している。カラーはグレージュ、クロームイエロー、プルシアンブルー、ブラック、ブラウンオレンジの5色を展開している。
原材料費や物流コストは高騰しているが、なぜワークマンは高品質かつ低価格帯を維持できるのか。背景には、素材自体を大量発注することでコストを下げている点がある。
ファスナーなどの付属品をさまざまなシリーズで共通化するなど、同じ素材を複数の商品に展開し、部材単位で大量生産することでコストを抑える。こうした取り組みを強化することで、物価高の中でも価格を維持する狙いがある。
一方で、物流関連の法規制強化の影響もあり、店舗への供給に課題も生じている。今後は、物流面を含めた供給体制の整備を進めていく。同社は、夏は涼しく、秋冬は暖冬から極寒まで対応できるウェアなど、機能面を重視した商品開発を続ける考えだ。
(ITmediaビジネスオンライン)