「東京依存」を脱却し、地域の諸資源を多角的に活用した独自のまちづくりも論じて

政治 産経新聞 2026年02月03日 16:50
「東京依存」を脱却し、地域の諸資源を多角的に活用した独自のまちづくりも論じて

衆院選は2月8日の投開票日に向け、立候補者や与野党幹部による論戦が繰り広げられている。選挙戦では何が問われているのか-。千葉大大学院教授、関谷昇氏に聞いた。

高市早苗首相による衆院解散の決断に明確な大義は見いだせないが、現在の高い内閣支持率を背景に政治的安定を図りたいという意図は透けて見える。

高市政権になって注目していたのは「保守」という言葉の使われ方だ。国家としての枠組みを強化して強い政治や経済を演出するというイメージで語られることが多いが、思想としての「保守」とは歴史や伝統、慣習を重視する考え方で、ポピュリズムとは対極にある。自民党は保守を標榜(ひょうぼう)する一方で、直近の民意を獲得するために消費税減税も含めた短期的な分配政策まで公約に掲げた。保守政党としてのブレが見える。

立憲民主党、公明党が結成した新党「中道改革連合」も、自民や日本維新の会との政治的な路線の違いを明確化させたいという狙いはわかるが、有権者の目には選挙直前の数合わせと見られても仕方がないだろう。「食料品の消費税ゼロ」も財源が明確でない以上、中長期的なビジョンを見据えて打ち出した政策とは到底思えない。いずれの政党も目先の票集めに躍起になっているのが現状だ。

千葉県内を中心にさまざまな自治体にかかわっているが、東京に近いだけに千葉独自のまちづくりの取り組みが弱いと感じている。また、人口が集中する千葉市や北西部と、それ以外の地域との経済的格差が激しいという根本的問題を抱えている。

自治体もその魅力を発信する取り組みを行っているが、多くは単発で終わっている。もっと越境する場を開き、こうした活動を有機的に結合させることこそが、国が掲げる「地方創生」ではないか。東京依存でなく、地域の諸資源が多角的に生かされるまちづくりをいかに進めていくかという点も、各政党、候補者には論じてもらいたい。(聞き手 白浜正三)

せきや・のぼる 昭和46年生まれ。栃木県出身千葉大大学院社会科学研究院教授。博士(法学)。専門は政治思想史、政治学。自治の思想、コミュニティ論なども研究テーマで、千葉県内の自治体を中心に総合計画づくりから地域活動支援まで幅広くまちづくりに参画している。

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