ホーム転落時は…視覚障害や盲ろうの人、駅での緊急対応を触れて学ぶ

社会 毎日新聞 2026年02月23日 13:15
ホーム転落時は…視覚障害や盲ろうの人、駅での緊急対応を触れて学ぶ

 視覚などに障害がある人にも鉄道を安全に利用してもらおうと、東武鉄道は18日、東武宇都宮駅(宇都宮市宮園町)で実際の車両を使った体験会を実施した。参加者は白杖(はくじょう)が車両のドアに挟まってしまった場合などの対応を学んだ。【有田浩子】

 体験会は2022年度から始まり、同駅での実施は2回目。今回は、認定NPO法人東京盲ろう者友の会▽日本視覚障害者鉄道安全協会▽千葉県視覚障害者福祉協会▽栃木県立盲学校――の4団体と、東武鉄道の社員など約130人が参加した。視覚と聴覚の両方に障害がある「盲ろう」の団体の参加は初めてという。

 参加者はヘルメットなどを装着して介助者とともにホーム下の線路に降り、同社の社員からホームから落ちてしまった場合の対応方法を聞いた。また、停車中の車両に触れたり、約110センチあるホームまでの高さを感じたりした。

 ホームでは、車両のドアに白杖が挟まれた状態を体験。「無理に抜こうとせず、手を離し、周りの人に助けを求めてください」という社員の説明にうなずいていた。また、介助者を伴わずにホームを歩き、手や白杖で車両間の連結部分を確かめた。「(連結部分が)怖い。ドアだと思ってしまう」と話す参加者もいた。

 東京盲ろう者友の会の藤鹿一之理事長(59)は、「普段このような体験は絶対できない。触れると実感がわく。ホームと線路の高さや、緊急時にどう動けばいいか学べてとてもいい勉強になった」と話した。藤鹿さん自身は外出時、介助者と常に一緒のため、特に困ることはないというが、1人で乗る盲ろう者の場合は、トラブルで電車の行き先が変わったときに情報がキャッチできないなど困るケースがあるという。

 障害のある人にさまざまな経験をしてもらい、電車利用時の一助にしてもらうのが体験会の目的だが、社員の研修にもなっている。阿久津芳史・東武宇都宮駅長(54)は「障害特性を把握して安全・安心にご利用いただくにはどうしたらいいか、社員と考えながら対応していきたい」と話した。

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