宇宙事業会社スペースワン(東京都港区)は5日、和歌山県串本町のロケット発射場「スペースポート紀伊」で同日午前11時10分に行った小型ロケット「カイロス」3号機打ち上げの失敗について、記者会見を開いた。原因は未解明だが、機体の自律飛行安全システムが誤作動を起こした可能性が高いと説明した。機体は問題なく飛行していたが、打ち上げから68・8秒後に安全システムが飛行中断措置を実行し自爆。紀伊半島南方海上に落下したという。人的・物的被害は確認されていない。
同社によると、3号機は同日午前11時10分に打ち上げられ、順調に上昇したが、第1段エンジン燃焼中の高度約29キロで安全システムが働き自爆した。同社の関野展弘副社長は「機体には全く異常がみられず、飛行経路も適切だった。原因は今後究明するが、システムの誤作動と考えるのが妥当だろう」と話した。
安全システムは、機体に備えられたセンサーなどが飛行中に何らかの異常を検知した際に働く。安全な飛行の継続が困難とみられると自律的に機体を爆破し、想定外の地域への危険な落下を回避する。複数の系統があり、いずれかが誤作動した可能性が高いという。
カイロスは、全長約18メートル、重さ約23トンの固体燃料ロケット。初号機と2号機はともに打ち上げに失敗しており、今回で失敗は3機連続となった。3号機は超小型衛星5基を搭載し、民間単独では日本初の軌道投入を目指したが実現しなかった。