ホルムズ海峡の通航料はガソリン1リットル=1円相当か 影響軽微も原油不足解消には遠く

政治 産経新聞 2026年04月06日 16:48
ホルムズ海峡の通航料はガソリン1リットル=1円相当か 影響軽微も原油不足解消には遠く

事実上封鎖されている原油輸送の要衝ホルムズ海峡を巡り、野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは6日公表したリポートで、イラン当局がで徴収する通行料(原油1バレル当たり1ドル)を日本のタンカーが支払った場合、国内のガソリン価格は1リットル当たり1円程度値上がりするとの試算を明らかにした。日本関係船舶はホルムズ海峡の通過を始めているが、仮に通行料を支払ったとしてもガソリン価格への影響は小さいとみられる。

商船三井は6日、インドの関連会社が保有する液化石油ガス(LPG)タンカーが、ホルムズ海峡を通過したと明らかにした。日本船主協会によると、イラン攻撃後に海峡を通過した日本関係船舶は3隻目となる。イラン側に通航料を支払ったかどうかは公表していない。

仮に日本の石油タンカーが今後、ホルムズ海峡の通過で通行料を支払った場合、最終的にはガソリン価格に転嫁されることになる。原油価格が1バレル=100ドル程度なら1ドルの上乗せは1%、イラン攻撃前の1バレル=67ドル程度であれば1・5%に相当する。木内氏によると、国内のガソリン価格に占める原油コストは30~40%とみられ、現在のガソリン価格(補助金がなければ1リットル=220円程度)では1・15~1・32円上昇する計算だ。

原油価格が仮に1・5%上昇しても、日本の実質国内総生産(GDP)に与えるマイナス影響は年間0・01%程度とみられ、影響は軽微。事実上閉鎖状態にあったホルムズ海峡で船舶の航行が増えていく可能性が出てきたことは良いニュースといえる。

とはいえ、木内氏は「これをきっかけに原油の中東依存度が高い日本などアジア各国で原油不足への懸念が解消されるかは予断を許さない」と指摘する。仮にペルシャ湾内に停泊する日本関係船舶がホルムズ海峡を通過できたとしても、新たに日本からペルシャ湾にタンカーを送るのは安全性が保障されなければ難しいからだ。

また、ホルムズ海峡で多くのタンカーの航行を許せば、原油価格は下落するため、イランはガソリン価格の高騰を通じて米国経済に攻撃するという〝カード〟を自ら捨てることになる。「米国とイスラエルがイランと戦闘停止で正式に合意しない限り、ホルムズ海峡での船舶の航行が正常化し、世界の原油供給と原油価格が安定を取り戻すのは難しい」(木内氏)のが実情だ。

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