大阪・関西万博の開幕から13日で1年となるのを前に、イタリア館政府代表を務め、2月に駐日イタリア大使に着任したマリオ・バッターニ氏が産経新聞のインタビューに応じた。古代ローマの彫刻など人気を集めた万博出展について「対日関係拡大の戦略の一環」と位置付けた上で、成果を踏まえて関西で経済イベントの開催を検討していることを明らかにし、存在感を強化する姿勢を打ち出した。
イタリア館では2世紀の大理石彫刻「ファルネーゼのアトラス」やミケランジェロの彫刻像「復活のキリスト」などを展示し、万博会期中は文化や経済などをテーマに800件以上のイベントを開催した。
バッターニ氏は「万博では国内18州が出展し、関西と新たな関係を築くことができた」と評価し、関西におけるイタリアの存在感を高めることができたと強調。「日本側の協力にも感謝している」と語った。
さらに万博参加の政策的意図に言及。「関西の企業や大学との関係を築く上で極めて重要な投資と捉えていた」と述べ、イタリア館の構成も「対日関係強化の行動計画に沿ったものだった」と振り返った。
伊政府の行動計画は航空宇宙やライフサイエンス、エネルギー、モビリティー分野などの関係構築を重視したもので、高市政権が重点投資対象に掲げる「戦略17分野」と重なる部分もある。
万博閉幕後の今年1月にはメローニ首相が来日。高市早苗首相との首脳会談で日伊関係を「特別な戦略的パートナーシップ」に格上げし、経済安全保障分野での連携や科学技術協力の促進でも一致した。
バッターニ氏は万博で構築した関係を通じ、これまで東京で開催していたイノベーション(技術革新)関連のイベントを関西でも検討していると明かした。大阪ではデザイン関連イベントにも参画するほか、食育について関西の大学との連携を進めるとした。(黒川信雄)