兵庫県宍粟市山崎町の酒造会社2蔵が復活させた地元伝統銘柄の日本酒「三笑」の蔵出し式が13日、同市一宮町の庭田神社で行われた。三笑は「宍粟に来て買ってほしい」との思いから、市内だけでの限定販売としている。
「三笑」は、同市山崎町で酒造業を営んでいた「本家門前屋」が江戸時代後期から約150年間にわたって製造販売していた歴史の長い日本酒。しかし、同社は昭和52年に酒造業から撤退し、三笑も姿を消した。
この伝統の日本酒を復活させて地元を盛り上げようと、同社の近くにある「山陽盃(さんようはい)酒造」と「老松(おいまつ)酒造」の2蔵が中心となり平成30年、プロジェクトに着手。市内産酒米「兵庫夢錦」を使い、地元の水で仕込む-という共通の条件で醸造した日本酒に、両社がそれぞれ「三笑」の銘柄を冠して限定製造・販売をおこなっている。
蔵出し式が行われたのは、「日本酒発祥の地」の一つとされる庭田神社の境内。伝承が残る「ぬくゐの泉」から三笑を取り出すセレモニーや鏡開きなどで、関係者らが販売開始を祝福した。
今シーズンの三笑は、老松が新たな杜氏(とうじ)の準備期間のため新酒の製造を休止し、山陽盃のみの蔵出しとなった。同社は計2500リットルを製造し、1・8リットル3200円、720ミリリットル1700円で販売する。「米の出来がよく、甘みと酸、フレッシュ感のバランスが取れた酒に仕上がった」と壼阪雄一社長。「これまで日本酒に親しんでいなかった人たちにも飲んでもらいやすいのでは」とPRしている。