ビル・ゲイツによると、代替は無理と考えられていた2つの仕事もAIが奪っていく

経済 Business Insider Japan 2025年05月05日 15:00
ビル・ゲイツによると、代替は無理と考えられていた2つの仕事もAIが奪っていく

ビル・ゲイツ(Bill Gates)が、長年続いてきた医師と教師の人材不足は、AIによってまもなく解消される可能性があると語った。

「AIが導入されれば、医療の知識を提供するようになり、人手不足は解消されるようになる」と、ゲイツは2025年4月11日に公開されたポッドキャスト「People by WTF」の中で語った。

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公衆衛生に長く取り組んできた彼は、インドやアフリカの国々では今も医療従事者が不足していると指摘している。

アメリカもまたこの問題を抱えている。アメリカ医科大学協会(Association of American Medical Colleges)が2024年発表した報告書では、アメリカは2036年までに最大8万6000人の専門医およびかかりつけ医が不足に直面すると予測されている。

「マイノリティの人や医療保険に加入していない人、地方に住む人を含め、すべての人に平等な医療を提供するには、この国では何十万人もの医師が必要だ」と、同協会の人材研究部門のディレクターであるマイケル・ディル(Michael Dill)は2024年、Business Insiderに語った。

高齢者医療を専門とする医師の数も減少しており、人口が高齢化する中でその傾向は続いている。医療従事者は、「老年患者の増加が医療の質の危機を引き起こす可能性がある」と2025年3月にBusiness Insiderに話している。

医療業界の燃え尽き症候群を緩和するために、医療に特化したAIのスタートアップ企業は、自社の製品を解決策として売り込むことで、数十億ドル(数千億円)を調達してきた。スタートアップ企業であるスキ(Suki)、ゼファーAI(Zephyr AI)、テナー(Tennr)は、請求業務や情報の記録などの繰り返す作業を自動化し、診断精度を向上させ。新しい治療法を受けるべき患者を特定することで、医療従事者の負担を軽減できるとしている。

コンサルティング企業のマッキンゼー(McKinsey)は、生成AIが医療や製薬業界の生産性を、最大で3700億ドル(約52兆6239億円)向上させる可能性があると見積もっている。

教育分野でも同様の問題が生じている。

2023年に発表された連邦政府のデータによると、アメリカでは、2023年度から2024年度に向けて、幼稚園から高校までの公立学校の86%で、教師の採用が難航していると報告している。また約45%の公立学校では職員不足だとしている。

2024年、イギリスではロンドンの中心部にある学校で、学生の試験対策をサポートするために、ChatGPTなどのAIツールが、教師の一部の代替を始めた。この実験的なプログラムはデイビッド・ゲーム・カレッジ(David Game College)で行われており、20人の学生が英語、数学、生物学、コンピュータサイエンスなどの主要科目で、1年間AIツールを使用することになっている。

学生がAIを使って不正行為をする懸念があるにもかかわらず、「生成AIが教師の時間を節約し、学習の向上に役立つ可能性があることに彼らは楽観的である」と教育関係者は2024年にBusiness Insiderに話している。特に、教師以外の学校で働く人を確保するのが難しくなっている今、学校はその可能性に期待しているという。

ゲイツは教師や医師のことだけを語っていたわけではない。彼は、「AIが工場労働者、建設作業員、ホテルの清掃員など体を使った技術が必要で、時間がかかる仕事をしているすべての人々にも影響を与える」とも話している。

「それらの仕事をこなすには、非常に優れた技術が必要だ。我々はそれを実現するだろう」

エヌビディア(Nvidia)などの巨大テック企業では、倉庫での物品のピックアップや床の掃除などの作業を行うヒューマノイドロボットに大きな投資をしている。これらのロボットは、労働コストを削減し、効率を高めることを目指すものだ。

「世界は、仕事が劇的に減る未来に向かって進んでいる。または少なくとも今とは大きく違う形になるだろう」とゲイツは話している。

「あなたは早期退職でき、短い労働時間で働くこともできる。そして『時間をどう使うべきか』というほとんど哲学的な考え直しが必要になるだろう」

ゲイツは彼自身もその問いに取り組んでいるという。

「我々のような人、特に私は70年近く、(AIや技術が)不足する時代を過ごしてきたので、考え方を変えることさえ難しい」

1930年、経済学者のジョン・メイナード・ケインズ(John Maynard Keynes)は、「技術革新が進むことで、最終的に労働時間が週15時間にまで短縮される」と予測していた。

だが、ほぼ100年が過ぎた現在も、生産性に大きな飛躍があったにもかかわらず、ほとんどの人は今も週に約40時間働いている。

「私は働く必要はない」とゲイツは言った。

「でも働くことを選んでいる。なぜかって? それは楽しいからだよ」

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